うつ病で薬を出す理由

「うつ病」と診断したら、すぐに抗うつ剤を出す
わけではありません。

まず、その患者さんが抗うつ剤はじめ精神科で

取り扱う薬を飲める体質かどうか把握すること
が第一です。

ですから、「うつ病」と診断しても初回は、
抗うつ剤は出さずに安定剤、睡眠薬のみ出して
様子を見ることも多いのです。

妊娠中、授乳中、糖尿病をはじめとした代謝性疾患、
内分泌疾患、腎機能障害、心疾患など、抗うつ剤を
慎重投与すべき、状態は数多くあります。

これらの場合は、抗うつ剤を出すリスクと抗うつ剤
によりうつ病が治りやすくなる可能性とを両天秤
にかけて判断します。

ただ、単純に言えば、抗うつ剤を飲むことによって、
脳の中のアドレナリン、ノルアドレナリン、セロトニン、
といった元気物質を増やすことができます。

よく、元気な人のことを
「アドレナリンが多い」というのは、こういった事情
からです。

では、抗うつ剤を飲んだら、翌日すぐに元気が出るかと
いうと全く違います。

抗うつ剤は、最低でも2週間継続して飲まなければ
なりません。

継続して飲むことによって、脳の中の元気物質が減らない
仕組みが作り上げられるのです。

抗うつ剤を飲んで、翌日から感じられることと言えば、
眠気です。

薬には一般的に沈静作用があり、抗うつ剤の場合は特に
脳の中で抗ヒスタミン作用による眠気を引き起こし
やすい要素を持っているからです。

初めて抗うつ剤を飲まれると、大抵の方は昼間から眠く
なります。

入院中や、昼間寝ていられる環境にある患者さんなら、
朝服用してもいいのですが、そうでない場合は、夕方
か就寝前に薬を飲んでいただくようにします。