薬の効き目が早かったうつ病患者

継続して抗うつ剤を飲んでいると、大概
2週間後から、薬が効いてくるものですが、
それからの効き方は様々です。


一般に、外来治療よりも入院している患者
さんの方が効き目が強い傾向があります。

まず、入院することにより、日常から離れて
ゆっくり休めるという安心感があります。

また、いつでも休養できる環境にあるので、
身体に問題がなければ、割と早いペースで
薬を増量していくことができます。

市役所の土木建築家に勤めていた43歳男性の例です。

市内のいくつかの公園設立の責任者となり、
しばらくしてうつ病になってしまいました。

3週間ほど外来治療を受けていました。

しかし、常に仕事のことが気になり、特に公園を目にすると
気になってしかたない、と半ばノイローゼ状態に陥ってた
ので入院していただきました。

仕事を気にしなくていい環境に身をおく必要があると
判断したからです。

外来ではパキシル20mgを服用していました。

入院後もその薬は継続し、安定剤のソラナックスと
睡眠薬を若干増やしました。

入院後はほとんど話さず自室で寝ていました。

2週間経ち、身体検査も全て済んだため、そろそろ
抗うつ剤を増やそうとご本人にも説明し、
パキシルを20mg→30mgに増量しました。

その1週間後から、急によく話すようになりました。

また、院内レクレーションにも毎回参加し、病棟内
での患者さんとの交流も盛んになりました。

よくよく観察してましたが、躁転(一転して元気の
良すぎる状態になること)ではないようなので、
抗うつ剤を減らしたり、抗躁薬(テグレトール、リチウム)
などを加えることはやめました。

もちろん、抗うつ剤のさらなる増量は打ち切りました。

この患者さんは、入院中、主治医と職場の上司、ご家族
参加の面談を2回行い、職場での仕事の軽減調整も
徹底させました。

このような入院して仕事から離れて休める環境、
仕事の負担軽減をしてもらえたところに、
抗うつ剤パキシルの作用の効果が出て
うつ病が一気に治っていったようです。