うつ病にも身体検査は必要

初診時、「うつ病」という診断名を患者さんに告げた後、
私は必ず身体検査も行うようにしています。

うつ病の陰に時々、甲状腺疾患や糖尿病など

身体の病気が隠れていることがあるからです。

また、血糖値やコレステロールが高い方には使えない薬も
あるからです。

そして、うつ病によって食欲が低下してたり、
生活リズムが乱れていると、貧血や低栄養状態に陥っていることも多く、
この場合早めに発見して身体管理も行うのが大事だからです。

初診時、時間があれば診察後、患者さんには、
血液、尿検査を済ませてから帰っていただきます。

2度目の診察時には、心電図、レントゲン検査、
必要な場合には脳波検査も行います。

結果は全て患者さんに説明します。

特に初めて薬を飲む患者さんの身体管理は重要です。

肝機能、血糖値、コレステロールなどの動向、体重変化など、
薬を飲み始めてから1ヵ月ごとにチェックしていきます。

精神科以外で継続的に治療を受けている方、
特に妊娠中、授乳中、透析、インスリンを受けている方などは、
必ずそちらの方面の主治医にもうつ病の治療を開始したことを知らせ、
連携して治療にあたるようにします。

私は総合病院の精神科に勤務していましたので、
うつ病の治療の際に身体面での精査が必要と判断すれば、
すぐに該当する科に依頼していました。

また、逆に身体科からうつ病を疑われて、
精神科に依頼されてきた患者さんも多くいらっしゃいました。

日本で使用が承認されている抗うつ剤は現在18種類ですが、
その中で個々の患者さんに最も合う薬を選び出し、
うつ病が治るまで継続的に投与できることが
投薬治療の基本となります。

うつ病の治療過程では、薬増量が必要な時もあり、
その時こそ、うつ病の症状経過と身体管理の両面から
見守っていくのです。

そして、抗うつ剤の副作用は様々にあります。
眠気、吐き気、嘔吐、便秘、下痢、手のふるえ、
転びやすさ、頭痛、視野障害、食欲増進、
食欲低下などなど。

抗うつ剤を飲んでいく過程で、ご自分で困る、不快だ、
と思われた副作用は遠慮なく主治医に伝えてくださいね。

あなたの身体状況をきちんと把握してくれている主治医なら、
無理なく続けられる次の薬を考えてくれるはずです。